明顕山 祐天寺

公開日:2021年8月4日  

「いつも見守っているよ。これからもずっと。」

 

法務部 名木橋大光

 

法然上人は、「阿弥陀様は私たちがお念仏とご縁を結んだその時から、救いの光で私たちを照らして下さり、お見守り下さっています。そして命が終わる最後の最後まで見捨てることなく、必ず極楽浄土へお救い下さるのです」とお示し下さいました。

目には見えないけれども、今この瞬間も私たちは、阿弥陀様に見守られている中で、過ごさせていただいています。そして、私たちがお念仏とご縁を結んでいる限り、阿弥陀様は最後の最後まで見捨てることなく、命尽きた時には必ず極楽浄土へお救い下さるのです。

 

私が小学生の頃、夏休みの楽しみと言えば市民プールで遊ぶことでした。小学4年生の夏休み。その日もいつものように市民プールで遊んでいると、突然「ピピピピーッ」と笛の音が鳴り響きました。溺れた子を見つけた監視員がプールサイドを走り、プールの中へ飛び込んできたのです。一瞬にして張り詰めた空気に驚きながらも、子どもを助ける監視員の姿を見ていた私は、安心感を覚えました。

 

なぜならば、監視員は溺れた時だけ助けてくれるのではありません。私たちがプールに入ってきたその時から、何かあった時にはすぐに駆け付けられるようにと、プールサイドから常に目を凝らし、見守っていて下さいます。私はその中で遊ぶことができていたことに心強さを感じ、安心感を覚えていたのです。

 

ただ、監視員さんも人ですから、時にはぼやっとしたり、目を離したり、助けようとしても、助けられなかったということもあろうかと思います。しかし、阿弥陀様は違います。命尽きた時には必ず救って下さいます。お念仏をお称えする今この瞬間から、その時が来るまで目を離さすことなく、見捨てることなく、いつも見守っていてくださるのです。

 

突然の事故や災害、病気や怪我など、大切な人との別れなど。自分の思い通りにならないこの世を生きる私たちです。そんな私たちに対し「いつも見守っているよ。これからもずっと」と優しく、そして最後は「必ず救う」と力強く寄り添って下さる阿弥陀様ほど心強く、安心できることはありません。

 

ふとした瞬間に思い出すプールでの出来事は、阿弥陀様に見守られて生きる心強さを改めて受け止めさせていただける、大切な思い出です。

合掌

過去の掲示伝道


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