明顕山 祐天寺

更新日: 2021年7月21日   公開日:2021年7月20日  

盆はうれしや 別れた人も 晴れてこの世に 会いに来る

(じゃんがら念仏踊りより引用)

 

このお歌は、祐天上人の生まれ故郷、福島県いわき市で受け継がれている「じゃんがら念仏踊り」のお歌です。起源に関しては諸説ありますが、一説には祐天上人が村人達の慰安と念仏の普及を兼ねて、南無阿弥陀仏称名を歌の節にあわせて踊りと共に唱えさせたのが始まりと言われてます。

 

お盆は7月盆(新歴盆)と8月盆(月遅れ盆)がありますが、どちらも13日が迎え盆、16日が送り盆とされ、この期間はご先祖様がお浄土からこちらの世に帰って来られます。

お盆の際には、お墓や仏壇をきれいにし様々な食べ物をお供えし、ご先祖様が帰ってくる準備を行いますが、よくナスの牛とキュウリの馬が飾られることがあります。これはこの世に帰る際には馬で早く、お浄土へは牛でゆっくりと戻ってもらうという、少しでも長くこの世にいて欲しいという家族の願いからきております。

 

お盆とは、盂蘭盆(うらぼん)が省略された呼び方であり、お釈迦様の弟子の1人で目連尊者(もくれんそんじゃ)のお話が起源となっています。

目連尊者はお釈迦様の十大弟子の1人で、神通力という優れた力を持っておりました。ある時、目連尊者はその力で見たところ、自分の母親が餓鬼の世界に堕ちていました。餓鬼とは口から火を噴き、小さな鬼のような姿をしています。しかしそのため水を飲んだり食べ物を食べることが出来ず、常に飢えや渇きに苦しんでおり、目連尊者の母親も餓鬼となり大変苦しんでおりました。

そこでなんとか母親を救う方法がないかお釈迦様にお尋ねしたところ、修行が終わった僧侶に飲食を供養すればその功徳によって救われるだろうと教えを聞きます。そして目連尊者がその教えの通りに供養したところ、母親は無事に救われたというお話です。

 

祐天寺でもこの時期、自宅へのお参りや本堂での合同法要を行いお盆のご供養しておりますが、浄土宗における最良の供養は南無阿弥陀仏とお念仏を称えることです。またこのお念仏は亡くなられた方のご供養のみならず、私たち自身がご先祖様と同じ阿弥陀様のお浄土、西方極楽浄土にお導きいただくための修行でもあります。

南無阿弥陀仏のお念仏は私たち僧侶だけでなく、いつでも、どこでも、誰にでも易しく行えます。どうぞお盆が終わられた方も、これから迎えられる方も、ご先祖様のご供養のため、そして自分自身も阿弥陀様の西方極楽浄土にお導きいただくために、お念仏をお称えしましょう。

法務部 東谷大信

過去の掲示伝道


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