明顕山 祐天寺


公開日:2023年6月3日  

『譲(ゆず)られて 心(こころ)から感謝(かんしゃ)できる 人になりたい』

祐天寺 日向哲空

 

私は自分のことを、とても「我(が)が強い人間だな」と思うことがある。

 

我が強いから、正しいと思うものがあれば、自分の意見を通そうと、誰かと衝突(しょうとつ)することも度々である。

 

たとえば、自動車を運転していて、お互いが我を通そうとして、事故が起きるようなものである。

 

たとえ、そのとき自分の意見を押し通すことが出来たとしても、それで気持ちがスッキリするわけではなく、実際のところは逆にイヤな気もちが残ることが多い。

 

皆が我が強ければ、私の身の回りは争いだらけになってしまうだろう。

しかし、そうならないのは、きっと誰かが自分の我を抑え、私に譲ってくれているから、、、

 

 

ある年配のご僧侶に教えていただいた事がある。

「意見が衝突したら、一人しか渡れない丸太を思い出すと良い。

左右から同時に渡れば二人とも動けなくなる。

どちらかが先に譲ってあげなければ渡れない。

他人に譲る気持ちを持ち、譲られた人は感謝して通ればいい。」

 

 

私の「我の強さ」は簡単に治るものではないかもしれない。

しかし、治した方が良いものだし、私にしか私の我を治すことのできる者はいないわけである。

 

「譲れるものは、気持ちよく譲る」

「譲ってもらえたら、ちゃんと感謝の心を持つ」

 

そんな当たり前のことのできる人間に私はなりたいと思う。          合掌

 

 


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