「これある時、かれあり」「これ生ずる時、かれ生ず。」
「これなき時、かれなし。」「これ滅する時、かれ滅す。」
法務部 東谷健信
このお言葉は縁起にまつわるお釈迦さまのお言葉でございます。皆さまは縁起という言葉を聞いてどのように想像されるでしょうか。日常的に使われる縁起がいいや、縁起が悪いなどと想像されるかと思います。しかしながら仏教での縁起とはそうではなく、原因に様々な条件が重なって現象が起きる事を意味しております。
皆さまは小さい頃コマをやったことはありますか?何も描かれていないコマにいくつかの色を描いてコマを回すと塗った色が混ざったように見え、描いた色と違う色に見えたりしませんでしたか。それは実在する色なのか実在しない色なのかどちらだと思いますか。
実はどちらでもないのです。こうした現象も【縁】によって起こっているのです。今私たちが生きているのも親がいてご飯を食べて学校等で学んでと色んなご縁によって今日という日を迎えているわけでございます。辛い・悲しいというお気持ちになるのも様々な条件が重なり【縁】によって起こっているのです。それがお釈迦さまがおっしゃっている縁起なのでございます。私たちが暮らしている世界は迷い・苦しみが多い世界であり思い通りにならない世界なのです。
浄土宗を開かれた法然上人はその迷い・苦しみから抜け出す為にはお念仏をお唱えする事が大切であるとお示しくださいました。
お念仏というのは『南無阿弥陀仏』阿弥陀さまどうかお救い下さい。このような意味がございます。こうして皆さまにお伝えできるのもご縁なのです。ですから1日の始まりや終わりにでも構いません。南無阿弥陀仏とお念仏をお唱えして阿弥陀さまやご先祖さまとご縁を結んでいただき今日という1日を大切になさってお過ごし下さい。
合掌