明顕山 祐天寺

「頓機(とんき)と漸(ぜん)機(き)あなたはどっち?」

 

誰しも子供時代にイソップ寓話にある『ウサギと亀』の物語を聞いたことがあると思いますが、皆さんはその内容を覚えておりますでしょうか。ウサギと亀が競争し、足の速さに自信のあるウサギは亀を馬鹿にして昼寝をしてしまいます。亀はコツコツと休まず進んでウサギに勝つというお話で「油断していると足元をすくわれる」「能力が低くても努力すれば成果が出る」ということを教えてくれる内容でしたね。

しかし別の見方をすると「亀はゴールを見ていたがウサギは亀しか見ていなかった」と見ることもできます。つまり亀は目的地をゴールに定めていたがウサギは亀に自分の足の速さを自慢することだけを目標としていたのでゴールに辿り着けなかったのです。

法然上人の御法語に「頓機と漸機」というお言葉があります。頓機とは聞いたならばすぐ理解できる人のことで、漸機とは徐々に理解していく人のことです。お寺や神社にお参りするにしても若い人であればすぐにお参りできるが、お年寄りの方は時間がかかってしまうかもしれない。しかし必ず行くんだ!と心に決めていれば最後には必ず辿りつけます。それは極楽浄土に往生したいと願ってお念仏をお称えすることも同じことが言えます。

阿弥陀様のいる極楽浄土に往生するんだとゴールを定め、南無阿弥陀仏とお念仏をお称えすれば頓機漸機に関わらず必ず辿り着くことができるのです。

 

合掌

法務部 玉置大祐

 

 

TOP