明顕山 祐天寺

「始まりの春 誕生の春 幸せの始まり」

法務部 佐藤隆常

 

4月といえば色々なことが始まる月です。新年度の始まりとして、学生は進級して新しいクラスで学校が始まり、職場では新入社員が入り、新しい仲間との仕事が始まります。町を見渡すと「新入社員の方かな?」と思うような初々しい姿もよく見かけます。当山でも新入山の職員や、幼稚園に入園された園児が多くいます。たくさんの「始まりの春」があります。

 

また、様々な誕生もあります。境内にはたくさんの草木がありますが、春になると多くの草木が芽吹き始めます。4月1日の誕生花は桜だそうですが、境内の祐天桜も3月下旬から咲き始め、今はほぼ満開となりました。植物が咲き始めると虫たちも活動を始めます。たくさんの「誕生の春」です。

 

そして、4月8日は仏教をお開きになられたお釈迦様の誕生日です。お釈迦様は釈迦族の王子として現ネパールのルンビニというところでお生まれになりました。お生まれになってすぐに7歩あるき、右手で天を、左手で大地を指し、「この世に生きる生き物はすべてが尊いのだ」と仰られました。お釈迦様がお生まれになったことは、たくさんの生き物が喜びました。きれいな花がたくさん咲き、甘露の雨も降って大地も喜んだとされています。

のちにお釈迦様は、何不自由なく育ったお城を出て、出家して、すべての生きとし生きるものが苦しみなく幸せになる道を探し始めました。6年間にわたって身体的に厳しい修行や断食、瞑想など色々なご修行をされたのち、ついにお悟りを開かれました。そしてたくさんのみ教えを伝えられ、現在も多く残されております。

浄土宗で大切にしているお念仏のみ教えもその一つです。様々な悩みの種である煩悩を持ち合わせる私たちにとって、その煩悩を断ち切って苦しみから逃れることは容易ではありません。そして煩悩から起こす所業は、地獄へ落ちる行いばかりです。ですが、「南無阿弥陀仏」と口に称えることで、阿弥陀様が救い取ってくださる、というみ教えを信じ、実践することで、迷い苦しみのない世界である、西方極楽浄土へ生まれることができるのです。

 

このお釈迦様のお説きになられたみ教えのおかげで、私たちは幸せになる術を知ることができたのです。ですから、お釈迦様の誕生は、私たちの「幸せの始まり」でもあるのです。

 

4月8日は、お釈迦様の誕生を喜び讃える日です。当山でも本堂前にお釈迦様の誕生仏を安置しております。甘露の雨を例えて甘茶も振舞っております。どうぞ誕生仏に甘茶をかけ、また甘茶を飲んでお釈迦様を讃えにいらしてください。

また同日は、当山開山祐天上人の誕生の日でもあります。祐天上人降誕会の法要も行いますので、こちらもぜひご参加ください。当山の行事はどなたでも参加可能です。お待ちしております。

 

4月8日  8時50分頃       灌仏会(お釈迦様の誕生を祝う法要)

14時           祐天上人降誕会(祐天上人の誕生を祝う法要)

灌仏会~15時30分頃まで 甘茶提供(無くなり次第、終了)

 

 

合掌

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