明顕山 祐天寺

「涅槃 ニルヴァーナ」

 

みなさんはニルヴァーナという言葉を聞いたことがありますでしょうか。有名な音楽グループの名前でもありますし、若い方のほうが本やテレビなどでも耳にしたことのある言葉かもしれません。このニルヴァーナという言葉は元々仏教に由来する言葉であり、日本語訳すると涅槃という言葉になります。

 

仏教において最大の目的は、私たち自身の煩悩を取り除くことであり、その煩悩を取り除くことで悟りの境地に至る事が出来るのです。そして悟りの境地に至り、仏教の教えを弘められたのがブッダ、お釈迦様なのです。

約2500年前、インドのある国の王子として生まれたお釈迦様は35歳の時に悟りの境地に到達され、それから80歳でお亡くなりになるまでの45年間、多くの人々にその御教えを布教されました。その御教えは決して同じものではなく、その人その人に合った教えを説かれたため、八万四千と言われるほど多くの教えが残されたのです。それは南無阿弥陀仏とお念仏をお称えすることを第一とした私たち浄土宗だけでなく、他にもお釈迦様のお言葉をよりどころとした多くの宗派に脈々と受け継がれております。

 

そしてお釈迦様は、80年の生涯の最後に涅槃に入られました。涅槃とは仏道修行者にとっての到達点とされており、悟りの境地に達したものがその生涯を終え、自身の肉体から離れ心身共に苦しみから解き放たれることを指します。

 

お釈迦様は涅槃に入られる前、私が亡くなった後も自らを拠り所とし、私の教えを守り実践するようにというお言葉を残されております。浄土宗においてはその教えこそ、南無阿弥陀仏とお念仏をお称えすることなのです。

 

現在もお釈迦様が涅槃に入られた2月15日には多くの寺院で涅槃会が行われており、当山でも毎年法要が厳修しております。私たちが救われる道、仏教の教えを弘められたお釈迦様の涅槃会にあたりお釈迦様の遺徳を偲び、その御教えに邁進いたしましょう。

合掌

法務部 東谷大信

TOP