『僕を変だと思う? もちろん。 真剣に聞いてくれ、僕って変? 人は誰だって変さ。』
最近、改めて観直した映画があります。
1986年に公開されました「スタンド バイ ミー」という映画をご存じでしょうか?
少年4人が、好奇心から森の中に死体を探しに行きます。その中でそれぞれの心の葛藤を描いた青春映画です。彼らにはそれぞれ家庭や学校のことなどで心の傷がありました。その中でも登場人物であるゴーディは、親に嫌われていると悩み、また物語を作る才能があるけれど、自分に自信がない。
そんなゴーディを励ます友達のクリスとの会話のシーンを掲示伝道に選ばせいただきました。
ゴーディ「僕を変だと思う?」
クリス「もちろん。」
ゴーディ「真剣に聞いてくれ。僕って変?」
クリス「人は誰だって変さ。」
二人の何気ない会話ですが、とても考えさせられた会話でありました。
「人は誰だって変さ」
この言葉は私たち誰しもに当てはまる言葉ではないでしょうか。
言い換えれば、私たち一人一人が違う人間なのです。それは生まれた環境も違ければ、性格も違う。好きなことがあれば、嫌いなこともある。得意なことがあれば、不得意なことも。誰もが至らない部分を持ち合わせている。それが人として生まれさせていただいたこの私たちです。
誰しもが多くの悩みや迷いを持ちながら、必死に今を生きています。
法然上人は、それぞれが悩み苦しむなかで、誰もが救われるお念仏のみ教えを私たちに明らかにして下さいました。
阿弥陀様に全てをお任せし、悩みや迷いを超えた極楽浄土に生まれさせていただく。
至らない私たちだからこそ、阿弥陀様は救って下さいます。
大切なことは、自分自身をよく見つめ、一人一人が至らない身であり、それでも阿弥陀様は救って下さるということです。
このことを私たちは忘れてはいけません。
ふとした映画の1シーンですが、彼らの会話で改めてお念仏の尊さを感じさせていただいた場面でございました。
まだまだ不安が尽きない世ではございますが、助け合いながら共々にお念仏を心の支えとさせていただき、阿弥陀様に見守られながら暮らしてまいりましょう。
合掌
祐天寺法務部 廣瀨晴彦