明顕山 祐天寺

「除夜の鐘 聞き煩悩の 髪を剃る」

 

世界中の人々にとって、忘れられない1年が間もなく過ぎようとしています。いったいいつになればこの状況から抜け出せるのでしょうか。現在は暗いトンネルの中にいるようですが、その先には必ず明るい光があることを信じて、1日も早く以前の生活に戻れることを祈るばかりです。

 

先日、お寺の大掃除にて建物のすす払いをすると、ほこりがたくさん出てきました。去年の大掃除から、いつの間にか積もっていたのでしょう。

 

私達にも、この1年の間に、知らず知らずのうちに積み重ねてきた、罪があるのではないでしょうか。法律上の罪以外にも、宗教上の罪もあるのです。

 

私も身に覚えがありますが、人との待ち合わせに遅れることも、相手の時間を奪う罪になります。いけないと分かっていても、嘘をついてしまうこともあるでしょう。振り返ると、自分でも気付かないうちに多くの罪を重ねているのではないでしょうか。

 

大晦日には多くのお寺で煩悩を除く夜の鐘、除夜の鐘が鳴ります。鐘の音が聞こえてくると、いよいよ今年も終わりだなあと感じます。除夜の鐘の音を聞くことによって、この1年のうちに造った罪を懺悔し、煩悩を除き、清らかな心になって新しい年を迎えるのです。

 

鐘の音を聞いて、心がキレイになったかと思うと、また煩悩は湧いてきて尽きることがありません。しかし、煩悩が除かれ新年を迎えられたという、あの清々しい心を持ち続けたいものです。

 

皆様にとって来年がよい年でありますように、お祈りいたします。

 

合掌

法務部 竹内正俊

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