明顕山 祐天寺

「因果の道理」

日向 哲空

お釈迦さまは因果(いんが)ということをお説きになりました。

因果とは原因(げんいん)と結果(けっか)ということですね。

すべての物事は、ある原因によって生じた結果であります。
つまり原因のない結果というものはないわけです。

これは私たちの、ただ今この瞬間の行いが、何かしらの結果を生じさせる原因になっているということでもありますね。

善因善果(ぜんいんぜんか)
悪因悪果(あくいんあっか)という言葉があります。

この私が
善い原因をつくれば、その報いとして、必ず善い結果が生じ
悪い原因をつくれば、その報いとして、必ず悪い結果が生じる
という意味の言葉です。

これが、この世のあるがままの姿であり、この理(ことわり)を因果応報(いんがおうほう)といいます。

また、
善い原因は善い結果を生み、その善い結果は次の結果への善い原因となる
悪い原因は悪い結果を生み、その悪い結果は次の結果への悪い原因となる

この様に善いも悪いも、そのままにしておくと相続されていくものであるのです。

本質的に私たちは皆、たった一度の限られた人生を「より良く生きたい、幸せに生きたい」と願う存在であります。

それなのに、なかなか思い通りにはならず、自らの行いによって幸せになったり、不幸せになったりしているのです。

私たちの行いは心から起こります。

そうなのであれば、私たち一人ひとりが自分自身の問題として、因果の理ということを考え、日々瞬間をより善く幸せに生きていけるよう、心を働かせることが大切となってまいります。

人間ですから失敗することは沢山あると思いますが、より善く生きようとする心が、善い行いとしてあらわれ、それが必ず善い結果に繋がるものと信じ、共に精進してまいりましょう。

そして、より善く生き抜いた後には、いつの日か必ずこの世とお別れをする時がやってまいります。そのときには、阿弥陀さまのお迎えをいただき、西方極楽浄土へ生まれさせていただくという果を得られるよう、日々、お念仏をお称えしながら進んで参りましょう。

合掌
南無阿弥陀仏

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