「ひとりで生きていたならば、ひとりで生きていないから」
今回の掲示伝道はSUPER(スーパー) BEAVER(ビーバー) 柳沢亮太さん作詞、作曲の『ひとりで生きていたならば』という曲の歌詞から選ばせていただきました。この曲は歌詞がものすごくストレートで、聞いているととても心を打たれます。その中でも「ひとりで生きていたならば、ひとりで生きていないから」という歌詞に私は心を動かされました。このほかにも、この歌には生きることによってどんな感情になるのかが書かれています。
私たちは、色々な人と関わりながら生活をしています。家族、友人、先輩、後輩、先生等、自分以外の誰かがいるからこそ、私たちは様々な感情を抱くのでしょう。
人生は面白かったり、楽しかったり、嬉しかったりする反面、辛かったり、悲しかったり、苦しかったりする場面もあると思います。それはきっと一人で生きていないからなのです。この曲を聴くと生きることについて考えさせられます。
皆さんはもし、ひとりで生きていたならどんな気持ちになりますか?
私は、仲の良い友人とよく連絡を取り合ったり、食事や旅行に行きます。そんな彼らとは、かれこれ10年以上の付き合いになり、一緒にいると、とても楽しくて嬉しい気持ちになります。もし彼らがいないと考えると、とても悲しくて寂しい気持ちになります。
仏教には「四苦八苦」という、この世の八つの苦しみを表す教えがあります。そのうちの一つに、愛する人といつか必ず別れるという苦しみがあります。皆さんの周りにも家族や友人など、大切な人がいると思います。大切な人と別れる瞬間が訪れるのはとても悲しいことです。どんなに悲しくても別れの瞬間は必ずやってきます。
この歌を聴いて友人のことを考えたとき、私は大切な友人たちに日々支えられているということに気づきました。この歌の続きに「原動力はずっとひとりで生きていないこと」という歌詞があります。私の原動力も大切な友人たちで、生きている苦しみや悲しみも友人たちがいれば乗り越えられるでしょう。
皆さんも「ひとりで生きていたならば」こんなことを考えなかったと思います。周りに今、当たり前にいる人たちが、実は私たちの心の支えになっているのです。
私たちは生きている限り苦しみから逃れることができません。そんな生きている中で心の支えとなってくれている、かけがえのない人たちに改めて感謝しながら日々強く生きていきたいものです。
祐天寺法務部
井村真大