明顕山 祐天寺

『今、思うこと』

 

雨や嵐があってこそ

晴れの有難さがわかり 

苦しみや悲しみを

味わった人に

本当のしあわせがわかる

 

皆さまもご承知の通り祐天寺の境内には沢山の桜の木が植えられています。

桜の木は秋の紅葉を終えると葉をすべて落とすので、冬の境内は少し物悲しい感じもいたします。3月になりますと、寒さも次第に和らぎ、近年、早い時ではお彼岸前に桜の花が咲き始めることもありますね。ひと昔前は入学式や入社式と桜がセットという感じでしたが、少しずつ気候がずれてきているようです。

 

令和2年も祐天寺の境内は桜の花で真っ白になりました。

例年、多くの人がこの桜を楽しみにお寺を参拝くださいますが、本年は人の出も幾分少なく感じられました。おそらく、暖かくなりお寺で花見をしたい気持ちを抑え、自宅で自粛生活をされていた方が多かったのでしょう。

 

その桜の花も散り、藤棚の藤の花も咲いて散り、その後、新たに生まれてきた若葉が少しずつ生長しながら、今も境内の景色は移り変わり続けています。

 

人によって、物事に対する感じ方はそれぞれであります。

ですから季節の好き嫌いというものも、人によってそれぞれだと思いますが、私は個人的にこの3月から5月の時期が他の時期に比べて好きなんだと感じています。

 

境内の様子も何もない時であれば、当たり前に過ぎていく何気ない日常であります。しかし本年はそれを眺める皆さまの心も、恐らく違った感じ方をしているものと思います。

 

この状況になり改めまして

今、この世に生まれさせていただき生きていること

今、この世でご縁あってお会いさせていただくことができたこと

そして、仏さまのみ教えに出会わせていただき、お念仏をお称えしながら過ごせるということ

 

こんな何気ない、当たり前に思えるようなことにも感謝しながら、今のこの瞬間を大切に生きて参らなければならないなあ、と心を新たにさせていただいたところであります。

 

合掌

祐天寺法務部 日向哲空

 

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