明顕山 祐天寺

目標と実践と継続

 

考えてみますと、私たちの人生とは瞬間の繰り返しの中で形作られていくものであります。ほんの一瞬の積み重ねが、1分となり、1時間となり、1日、1年となり、いずれ自身の人生を振り返った時に、それがすなわち、その人自身の一生となるわけです。

この様に、あっという間に過ぎ去っていく、この瞬間ではありますが、その過ごし方がこの私の人生を築きあげているものと理解したとき、そこに無駄な時間はひとつもなく、むしろ大切に過ごさなければならない時間ばかりである、ということに気付くことができます。

 

本来、人は皆、この世にいただいた、たった一度の限りある命を、より良く幸せに生きたいと願うものであります。ここで皆さまが「より良い幸せな人生」というものを、どの様にお考えかになるかは分かりませんが、お釈迦様は「幸せとは物質的なものを手に入れたり、個人的な欲望を叶えることで得られるものではなく、自身を律し正しく生活することで得られるものである」とはっきり教えて下さっています。

つまり、お釈迦様が生涯をかけてお伝え下さった、み教えとは「この私たちが、より良く幸せな人生を過ごすために必要な正しい生き方」を示されたものに他ならない、ということであります。

 

お釈迦様のみ教えの数は八万四千と言われるほど膨大なものであり、中には実践が難しいものもあります。どれほど、優れたみ教えであったとしても、実践することが難しいものや、たとえ実践することは出来ても、継続することが出来ないものでは、その人にとって意味の無いものになってしまうかもしれません。

 

このことから、今月の掲示伝道ではお釈迦さまのみ教えに則り、心がけることで誰であっても実践と継続が可能であろう目標を掲げさせていただきました。

 


今日の目標

 

今日一日 腹を立てないこと

今日一日 嘘をいわないこと

今日一日 物を粗末にしないこと


 

いかがでしょうか。

簡単な事ではありませんが、心がける事でなんとかなることかもしれませんね。

明日は、あさっては、と考える必要もありません。

ただ、今日一日、今日一日と心がけていただければ良いのです。

 

もし腹を立ててしまったり、嘘をついてしまったり、物を粗末にしてしまったとしても良いのです。そんな自分自身であることを認め、繰り返さないように、その都度、省みることが大切なことであるのです。

 

その繰り返しをおこなうことで、お釈迦さまの仰る通り、より良い人生となっていくことを実感できるはずであります。

 

今の私の行いが、後の私の苦楽の原因になってまいります。

共に心穏やかにより良い人生を送ることが出来るようがんばって参りましょう。

 

合掌

祐天寺法務部

日向哲空

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