明顕山 祐天寺


公開日:2026年5月11日  

        流れさった時間は二度とかえってこないんだ!!」

                           ドラえもん

    

小学5年生の長男が、「大人って時間が過ぎるのを早く感じるの?」と聞いてきました。「とても早く感じるよ」と言うと、「僕はとても遅く感じる」と言うのです。たしかに子供の頃は時間がゆっくり流れていた気がします。そんな時代もあったなと懐かしいような、うらやましいような気持ちになりました。ついこの間、小学校に入学したと思ったら、あっという間に5年生になりました。本当に月日の経つのは早いものです。

先日、長男と一緒にドラえもんを見ていました。ある日、のび太君は先生から明日は絶対に宿題を忘れないように注意されます。スネ夫からは、貸した本を早く返して欲しいと言われますが、この本が物置に紛れ込んでしまい、探すのに数時間は掛かってしまいそうです。さらにママからは、往復2時間はかかる隣町のおばさんへ荷物を届けるようお願いされるのです。時間がいくらあっても足りないと嘆くのび太君ですが、慌てるどころか、何やら余裕の表情を浮かべて昼寝を始めてしまいます。
数時間後、昼寝から覚めたのび太君は、『タイムマシン』で時間を遡ろうとしますが、なんと故障して修理中でした。ドラえもんに時間の流れを止めることができる道具を出してくれるよう頼みますが、これが悉く手元に無く、ようやく大慌てとなるのび太君。そんなのび太君に、ドラえもんは『タイムライト』を取り出します。点灯すると、ゴーゴーと時間が猛スピードで流れていくのが目に見えます。そして時間の大切さについて、「よく見ておくんだね。君が昼寝してる間も時間は流れ続けてる。一秒も待ってはくれない。そして流れさった時間は二度とかえってこないんだ‼」と時間の大切さを教えます。取り返しのつかないことをしたと、反省したのび太君は『むだ時間とりもどしポンプ』を出してもらい、無事に用事をすべて済ませたのです。

僧侶の修行中は、早朝に木製の版木(ばんぎ)という仏具を鳴らして起床します。その時には、警覚偈(きょうかくげ)という偈文をお称えします。意味は次の通りです。「謹んで、みなさんに申し上げます。いかに生き、いかに死を迎えるかは人生の一大事です。時間はまたたく間に過ぎ去ってしまいます。しっかり目を覚ましましょう。無駄に時を過ごすことのないように。」

そして一日が始まり、修行に打ち込んでいくのです。時間は誰にも平等に流れていますが、それを活かすかどうかは本人次第です。のび太君たちの年齢から時間の大切さに気付くことができれば、それは生涯にわたって貴重な財産になることでしょう。無駄に時間を過ごさないよう、一日一日を大切にしていきたいものです。

合 掌


«   
TOP