明顕山 祐天寺


公開日:2026年4月3日  

「年年歳歳花相似 歳歳年年人不同」 劉廷芝(劉希夷)

春になり様々な花々が咲き、私たちを楽しませてくれております。当山の桜も、今年もきれいに、そして元気に咲いてくれました。

「年年歳歳花相似 歳歳年年人不同」

この句は、中国・唐の詩人、劉 廷芝(りゅう ていし)の詩「代悲白頭翁(白頭を悲しむ翁に代)」の中の一節です。読み方は、「年年歳歳(ねんねんさいさい)花相似たり(はなあいにたり)、歳歳年年(さいさいねんねん)人同じからず(ひとおなじからず)」。

「花は毎年同じように咲くが、それを見ている人は移りかわる」という意味です。

春になれば花々が咲くように、季節は同じリズムで繰り返します。一方、私たち人間は、年齢、容姿、気持ち、周りの環境、関係性など、どれも同じままではいられない変わり続ける存在です。自然の悠久さと人間の儚さを対比させ、人生の無常観を深く味わわせる名句です。

桜の花は、開花して満開となり、やがて散り、大地に落ちる。その姿は、よく人の一生に重ねられます。この世に生を受けた私たちも、桜のように、いずれはこの世を去ってゆく身であります。

では、散った後に、私たちを受け止めてくれる大地はどこか。それは阿弥陀さまのおられる西方極楽浄土です。阿弥陀さまは、「南無阿弥陀仏」とお念仏を称える全ての者を平等に、一切の苦しみのない西方極楽浄土へと必ず救い摂るとお誓いくださいました。

今年、一緒に桜を見た人が来年も隣にいてくれる確証など、どこにもありません。

しかしながら、私たちは、この限りある命の中で、尊いご縁のもと、お念仏のみ教えに出会うことができました。

阿弥陀さまの慈悲のみ光に包まれ生きていくことができる悦びを改めて感じ、これからも共々にお念仏を相続してまいりましょう。

合 掌


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