明顕山 祐天寺


公開日:2024年11月16日  

【今を大事に生きるため】

先日、外食をしていると、5歳くらいのお子さんが親御さんへ向かって、「ちゃんと手を合わせていただきますしないとダメだよ」と注意しているところを見ました。私はそれを見てしっかりしたお子さんだなと感心していました。気になって周りのお客さんを見てみると、手を合わせて「いただきます」をしている方はあまり見かけなかったように思います。おそらく、注意をしていた小さいお子さんは普段から幼稚園か保育園などでしっかりと教えてもらっているのでしょう。

自分を見つめ返してみると、手を合わせて「いただきます」を言わず、かけ込んで食事をしてしまう時もあり反省するばかりです。

祐天寺では、幼稚園の子どもたちや夏に行っている子ども向けの道場でお称えしている「食前のことば」という文があります。

おいしさを作ってくれてありがとう

振り返ろう私の行いその心

言わない止めよう好き嫌い

身をつくり心を作るよき薬

いただきます今を大事に生きるため

 

この文を読むと、食事を作ってくださった方々への感謝、普段の自身の行動、なにより食べたものが自分の体を作っているのだと考えさせられます。

仏教を開かれたお釈迦様は、私たちにこうお伝えくださっています。

過去を追ってはならない。未来は待ってはならない。

ただ現在の一瞬だけを、強く生きねばならない。

(『仏教聖典』201ページ)

自分の生活を振り返ると、休みの日はつい動画を長時間見て時間を無駄にしてしまったり、そのため食事も適当に済ませてしまったりと、一日が終わって改めてもったいない生活をしてしまったなと反省する時があります。

私たち自身の終わりがいつやって来るかは誰にもわかりません。だからこそ、お釈迦様がお伝えくださった今を大事に生きるため、毎日を大切に過ごしてまいりましょう。

合掌

法務部 吉澤遵和


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