明顕山 祐天寺

公開日:2024年4月17日  

『人間生きてりゃ 悩みは尽きない』

今回ご紹介させていただくのは、大沢啓二さんの言葉です。
プロ野球監督であり「親分」の愛称で親しまれ、ユーモアあふれる言動で人気を集めた名物監督でございました。
「人間、生きてりゃ、悩みは尽きない」
まさに私達の人生は、この言葉につきるのではないかと思う日々であります。
嬉しいことや、笑い合えることがたくさんある反面、人知れず苦しむことがある。
満たされないことの方が多くある。病の苦しみ、どうすることも出来ない命の悩みがある。
どこに住もうが、どんな仕事をしようが、誰と暮らそうが、私達それぞれに悩みがあり、誰もが尽きることがない悩みと共に暮らしております。
この人の世に生きる以上、自分の思い通りにいくことなんてほとんどありません。
しかし、悲しみ苦しみだけで終わらないのが、仏様のみ教えであります。
今より2600年も昔に、すでにお釈迦様は「この世は悩み迷いの世である」とお伝えくださっております。
そして「それでも誰もが幸せに生きて欲しい」と正しく生きてゆく、そのみ教えをちゃんと伝え残して下さいました。
多くの尊いみ教えの中でも、誰もが願い称えれば必ず救っていただける、それこそがお念仏でございます。
お釈迦様がお教え下さった阿弥陀様という仏様は、苦しむ者を誰一人として決して見捨てません。救われたいと願い南無阿弥陀仏と称えた者を、必ず清らかな極楽浄土の世界へ救うと、お約束をして下さいました。その約束が、破られることは万が一にもありません。
不安の中で生きる私たちに、必ず救っていただける、そのみ教えがちゃんと届いている。
これは私たちにとって、なによりも心の支えになることではないでしょうか。
悩みから逃れることが出来ないからこそ、全てをお任せできる阿弥陀様に救いを求めましょう。
それこそが今を力強く歩んでゆく、正しい道であると私は信じております。
共々にお念仏を大切に相続して参りましょう。
合掌
法務部 廣瀨晴彦

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