明顕山 祐天寺

公開日:2023年10月2日  

「良い人 演じていませんか?」

こんな経験はありませんか?

・本当はゆっくりしたいのに誘いがあるとついつい無理をしてしまう…

・やりたくない理不尽なことも上司からの命令だから断れない…

・間違いを指摘したら関係が悪くなるかもしれないから我慢をする…

「良い人と思われたい」「評価されたい」「嫌われたくない」と、誰しも程度の差はあるけれど他人の評価を気にして生きています。なかには人一倍他人の評価ばかり気になって自分の意見も言えず、ただただ周りに流されてばかりの人生を送っている人もいらっしゃるのではないでしょうか。もちろんそれで良いと思っている人もいると思いますが、せっかく生まれてきた一度きりの人生を嫌われるのが怖くて本当の気持ちを我慢し続け、誰かの期待通りに生きていくだけなんて勿体の無いことです。

仏教を開かれたお釈迦様は、「人間の好き嫌いはその人の状況とその時の都合によって決まるのだからどんなに立派な人でも全ての人から好かれることはないし、反対にどんなに嫌われている人であっても全ての人から嫌われることもない」と仰いました。お釈迦様がおられた時代の三分の一の人はそもそもお釈迦様の存在を知らず、また三分の一の人はお釈迦様のことを変な人だと非難し、残りの三分の一の人は尊い方だと称賛したそうです。お釈迦様でさえそうなのだから、私たちがみんなから好かれたい、誰からも嫌われないようにすることなど出来ないことなのです。自分の人生を生きているという実感のない人で何かを変えたいという人は勇気を出して「嫌なものには嫌だ」と伝えてみましょう。もし、伝えたことであなたから離れていく人がいるのであれば、それはあなたの事を単に都合の良い人なだけと思っている人です。周りの目に振り回されるより、本当の気持ちを大事にして本当のあなたの事を理解してくれる人と過ごす人生の方が実りある人生と言えるのではないでしょうか。

合 掌

法務部 玉置大祐


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