明顕山 祐天寺

公開日:2023年9月19日  
『月かげのいたらぬ里はなけれども ながむる人のこころにぞすむ』
ここ、祐天寺は浄土宗のお寺でございます。
浄土宗をお開きになられました法然上人は大事な教えを「月かげ」という御歌で表現されました。「月かげのいたらぬさとはなけれども ながむるひとのこころにぞすむ」
この御歌は浄土宗の宗歌となっており、御詠歌として法要の中でお唱えすることもございます。
月かげの御歌では、月の光を阿弥陀様の光明を例えたものとしております。
阿弥陀様の慈悲の光は、
“たとえどんな場所であっても”
“たとえどんな方であっても”
必ず平等に照らして下さり、すべての人々を救おうとしておられます。
そのありがたい阿弥陀様の御光に気付き、お念仏をお唱えする中で“いずれ命を終えるときに極楽のお浄土へとお導き下さいますように”と願う。
そんなお心を歌ったのがこの月かげの御歌でございます
たとえば、夜の帰り道に辺りを照らす街灯が全て消えてしまったら、皆様はいかがでしょうか?
私は、「なんとなく家までの帰り道はわかるけれど、歩き出して危険はないだろうか?
無事にたどり着けるだろうか?」と、不安な気持ちになります。
しかし、ふと気付くと自分の進む道がうっすらと照らされているのです。
なぜこんなにも暗いところでも道が見えるのだろう?と、辺りを見回しふと空を見上げると、そこには月が昇っており、その光のおかげで道が照らされていることに気づきはじめて、いつも必ずそこにある月の存在にありがたいと感じることでしょう。
月の光と同じく阿弥陀様はいつも変わらずに、そしてこれからもずっと私達を見守って下さいます。
どうか、日々の中で、“当たり前だと思うことが、実は大変ありがたいことである”というお気持ちを忘れずに南無阿弥陀仏とお念仏をお唱え下さいませ。
合掌

«    »
TOP