「友達に助けを求められて、知らん顔していられるか！！」　

ジャイアン

法務部　竹内正俊

学生時代に友人が「ジャイアンは映画になると、いいやつになるよね」と言っていました。

誰もが認めるガキ大将で、普段は強引に友達の漫画やゲームを取り上げて自分のものにしたり、「ムシャクシャしている」という理由で、のび太やスネ夫などに八つ当たりしたりしています。しかし、有名な「心の友よ！」というセリフのように、友情や愛情といった他人を思いやる行為に弱く、涙もろい一面も持っているのです。

ある映画でドラえもん達は、動物の世界に行きました。そこでは動物達が人間のように話したり、歩いたりして、暮らしていました。ドラえもん達は「チッポ」という犬の男の子と仲良くなりました。一度、地球に帰りますが、数日後、チッポが悪者の襲撃に遇い、助けを求めてきたのです。みんなで助けに行くことになり、再度集合します。しかし、ジャイアンは時間になっても集合場所に現れません。置いていこうとした瞬間、大きな風呂敷を持ったジャイアンが現れ、みんなに向けて放った一言が「友達に助けを求められて、知らん顔していられるか！！」という、このセリフです。

私達がよりどころとする『観無量寿経』というお経には、「仏心とは大慈悲これなり」と説かれています。「慈悲」とは「抜苦与楽」ともいい、苦しみを抜き、楽を与えることです。友達が苦しんでいるのを見て、助けずにはいられないのが慈悲の心です。普段は乱暴者のイメージが強いジャイアンですが、そのような心も持っているのだと感じました。

仏様の慈悲は、「大慈悲」といわれます。すべての人々を救いたいと、阿弥陀様が私達のために、大きな慈悲の心で選び取って下さったのがお念仏です。この尊いお念仏に巡りあえた喜びをかみしめて、人生を歩んでいきましょう。

合掌