明顕山 祐天寺

「雪のうちに仏の御名を唱うれば 積もれる罪ぞやがて消えぬる」

 

法務部 井村真大

 

12月も中旬になり、ますます寒くなってまいりました。最近出かける時は厚手の上着が無いと寒くて出かけることができません。

さて、今回の掲示伝道は法然上人の冬のお歌から選ばせていただきました。また、この歌は浄土宗大本山の一つである京都の清浄(しょうじょう)華院(けいん)の御詠歌としても親しまれています。この歌は、降り積もった雪が太陽に照らされると溶ける様に、私たちが日ごろ積み重ねてしまった罪も、阿弥陀様の御名前を一心に称えたならば、直ちに消えてしまうでしょうという意味です。

私たちは普段知らず知らずのうちに罪を犯しているのです。仏教でいう罪とは、法律的な意味合いでの罪ではありません。日頃の自分の行いを見つめ直してみてください。私は普段善い行いしかしていないから絶対に救われることができるという方がいるでしょうか?

仏教では、「十悪」という十個の代表的な悪い行いがあります。例えば、生きとし生けるものの命を断つこと。人の物を盗んでしまうこと。言葉によって誰かを騙すこと。誰かを汚く罵って他者を悩ませること。今あるもので満足することができないこと。気に入らないことに対して怒ってしまうこと。このような行いは仏教では罪となってしまい、犯してしまうとその程度によって地獄や餓鬼、畜生といったとても苦しい世界のいずれかにおちてしまう原因となると言われています。ですから、私たちが日ごろ犯してしまった罪

を、お念仏をお称えすることによって懴悔するのです。

 

12月25日と言えば、一般的にはクリスマスを思い浮かべる人がほとんどだと思いますが、祐天寺では「仏名会」という法要をこの日に行っています。「仏名会」は私たちが1年間に犯した罪を懺悔するために、お念仏をお称えする法要です。懴悔とは、罪を滅して身を清める行いのことです。普段知らず知らずのうちに罪を犯してしまう私たちでもお救いいただけるのが、お念仏の御教えでございます。「仏名会」はどなたでも参加することができます。皆様の参加を心からお待ちしております。

今年1年の罪を懴悔して、清らかな心と体で新年を迎えましょう。

 

合掌

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