2月23日、米沢(山形県米沢市)の資産家である九里家に重宝として伝わる祐海名号付き百萬遍数珠が、中村清兵ヱ・黒沢孝吉・鈴木長兵ヱら3人の斡旋によって、米沢西蓮寺に寄付され、百萬遍念仏講が組織されました。西蓮寺17世龍音の代のことです。
数珠の箱の蓋裏には祐天上人が所持していた数珠であることと、寄付された経緯、百萬遍念仏修行の世話人である孝吉・長兵ヱおよび、相田幸吉の名とともに数珠の寄付者名が記されています。
祐天寺の『本堂過去霊名簿』には、「米沢九里三郎右ヱ門」など、九里家と関係があると思われる人物の法号が、何霊か納められています。
また、西蓮寺10世琢善が7歳のときに祐天寺で修行していたことや、西蓮寺境内に祐天名号石塔が建立されていることから、西蓮寺と祐天寺との関係が深かったことがわかります。
7月、須賀川十念寺(福島県須賀川市)の祐天上人名号軸が修補されました。名号軸と一緒に納められていた書付から、十念寺26世大元の代に岡田与四郎が施主となって屏具の修補が行われたことがわかります。
書付にはこのほか、十念寺10世善達の代〔貞享2年(1685)から元禄8年(1695)〕に岡田十兵衛から納められたこと、寛政8年(1796)の19世教順の代に岡田忠兵衛が施主となって屏具を再興したことが記されています。また、名号の下部には名号を納めた岡田十兵衛夫妻らの法号が書かれています。